お蕎麦びより





「ん………」


眺めが良いと評判の宿に泊まった、次の日の朝。

目覚めは最高、だと思ったのに──……



「曽良君おはよ!」

『よう』


芭蕉さんと……男?



「芭蕉さん、その男は?」

「聞いてよ曽良君!
マーフィー君が人間になったんだって!」

「……はぁ?」

「ほんとうだよ!
ねぇ?マーフィー君」

『あぁ』



男がにこりと笑い、茶色い髪が揺れた。

マーフィー君って……、確か芭蕉さんが大事にしている人形のはず。
それが人間に……?