if *thank you*【完】


綺麗な顔で、微笑んだ。

「戻りたいでしょう?」

…ふわっとオレンジの香りがした。

「彰…っ」

戻りたい…けど。

「もしも、戻ったら…どうなるの?」

「え?」

「過去に戻ったら、もう今には戻れないの?」

世羅は少し俯いてから、再び口を開いた。

「…戻れないことはないわ。ただ…」

ただ…?

「失敗すれば……終わり」

「終わり…?」

「時が狂う可能性があるってことよ」

「どうゆう…こと…?」

あたしには難しい話だよ。