if *thank you*【完】



黒髪ロングの、1人の女の子だった…。

誰だろう?

制服は着てないから、ここの学校の生徒じゃ…ないよね。


「私は世羅…よろしくね」

世羅と名乗る彼女は…

高く透き通るような声。
白い肌に細い手足。
サラサラの黒髪のロングが風になびいている。
大きな瞳に整った顔…。

誰もがみんな美人だと思うだろう。

「貴方、過去に戻りたいとは思わない?」

過去に戻る…?

「…それ…」

世羅が指差したのは、あたしの手先。

この、オレンジの香水だ。