if *thank you*【完】



「光歌!」

遠くの方から、オレンジの香りがする…。

「彰…?」

目の前には、彰の姿。

嘘…でしょ?

そんなはずは…ない。

「彰?」

「光歌……ありがとな」

彰は微笑んで言った。

何が、ありがとうなの?

あたし、彰に感謝されるようなこと、何にもしてないよ…?

彰は、それ以上口を開かなかった。


今、何が起きてるの?

あたしには理解が出来ない。


彰――――…っ!!




「…か!光歌っ!!」

「え……」

聞こえたのは、夏穂の声。