あたしは座って、さっき買った香水を開けた。 「…彰……っ」 袋を開けただけで、オレンジの甘酸っぱい香りが広がった。 もう1回…もう1回だけ、彰に逢いたいよ…。 会えないってわかってても、あたしは…願い続けるよ。 目に焼きついて離れない、彰の姿…。 あたしはきっと、一生忘れられなくなる…。 晴れた空を見上げて…いつでも彰が思い浮かぶ。 ―キーンコーン…― 予鈴が鳴り響く。 もうみんないるのかな…。 いいや、今日はもう……