if *thank you*【完】


夏穂、12時間は確実に寝てたよね(笑)

「光歌、家までついてきてくんない?夜中出歩くの恐ろしいわ」

あたしも夜中危ないと思い、夏穂の付き添いに行くことにした。

携帯と家鍵と、一応お金を持って外に出た。

空には、1つの月と無数の星たちがキラキラと輝いている。

視線を下にずらしたその瞬間…ふわっと、あの甘酸っぱいオレンジの香りがした。

「玄関の中で待ってて」

「わかった」

…携帯持ってきても、別に連絡取り合う人なんていないんだけどね…。