何か…後ろにいたような…。 「…光歌?どうしたの?」 「あ、ゴメン…なんでもない!」 今のは―――…。 「っ………」 甘酸っぱいオレンジの香り… 彰、この匂い好きだったなぁ…。 「夏穂、どうする?一回、家帰る?」 「うん。寄っていい?」 ―――――…。 …久しぶり来た夏穂の家。 いつぶりだっけ… そんなことを考えてると、夏穂が階段を降りてきた。 「お待たせー」 「制服は?」 「置いてきたよ。荷物も置きに来なきゃいけないから、学校は遅刻してく」