if *thank you*【完】


「…高1の彼氏だって…」

「すげーな、アイツ…」


去っていく夏穂を見て、あたしたちは呆然と立ち尽くしていた。

いつの間にか、空は綺麗な茜色に染まっていた。

「もうこんな時間か」

近くの公園にあった時計を見た。

「もう、帰ろっか?」

「そうだね…」

「帰ったらメールするから」

ケータイを片手にもって、微笑む彰。

『恋』とか『付き合う』とか、あたしには初めてだから夢みたいで。

でもやっぱり
『付き合ってるんだな…』
って、たまに実感出来る。