if *thank you*【完】


「光歌!」

世羅の声だ…。

あぁ…もうあたし、消えちゃうのかな…?


「光歌ー!」

…あ…きら?

「光歌!お前…」

あたしは自分の手のひらを見つめた。

半透明で、下の地面が見えている。

「彰…あたし、未来から来たの。彰に…もう1度、会うために…っ」

「嘘だろ…?」

彰は1筋の涙を流した。

「嘘じゃないの。でも…過去に“あたし”はちゃんと存在してた」

あたしは溢れ出そうな涙をこらえて、頑張って微笑んだ。

もう、あたしは消えちゃうんだ…。