if *thank you*【完】


あたしはふと、夏穂の携帯に目をやった。

8:10…?
画面の右上には、そう表示されている。

「そろそろ行こうよ」

「え、あ!本当だ」

自分の携帯の時間を見て、驚いていた夏穂。

「あ、あれ高原じゃん」

金に近い茶色で、ピョンと髪が立ってる男が、学校方面に向かって走っていった。

「高原、背伸びたと思わない?」

あぁ…そういえば。

「中学の時なんか、小3級の小ささだったよね?」

「今、光歌より高いよ(笑)」

「あたしに対してのイジメか!?」