「――――…って言われてもなぁ…。」
あれから時間がたって夕方になるまで女の子の
面倒を見てあげた俺たちはさすがにクタクタ。
「まいった、まいった。まさかこんな時間まで何でガキの相手なんざせにゃ~ならんのじゃ!!」
すっかり夕焼け色に染まった空を
見上げた譲が困った顔して言う。
「でも…なんかかわいそうだった。瞳ちゃん…」
ボソッと俺が呟いたのを蓮は聞き逃さなかった
「そーいえば立夏はなつかれてたな。」
「ほんと、立夏としか話しなかったしな!!」
譲も納得したように頷きながら言った。
「そだっけ?」
「そーだし!俺ら完全無視されてたし!!あれは立夏に気があるんだな!!」
満足そうに譲は頷く。
「おまけに明日も見舞に行く約束までして…」
蓮が呆れたように言った。
「仕方ないだろ。成り行きだし!」
「俺ら知らねーからな!!」
「いーもんねー!!」
そう言ってたら病院の前で聞こえてきた
綺麗な透き通る歌声がまた聞こえてきた。
「なぁ…この歌誰が歌ってんだろうな?」
「はぁ!?何も聞こえねーけど?」
「あっそう…。」
あまり二人を気にせず夕焼け道をゆっくり
歩きながら透き通る声にただ耳を澄ました。