俺は部室に戻って汗でベタついた
ユニフォームを一番始めに脱いだ。
「おい、立夏~今日も派手にケンカか!?」
隣から声をかけてきたのは
同じラグビー部の福田 譲(ユズル)。
いっつも一緒に家に帰るダチってとこ。
「ケンカじゃねーよ。あいつ、自分からデート誘って自分から無理だって言い出したから………」
「怒ったんだ~!駄目だろ~可愛い子には優しくしなきゃ!!」
「いや、腹立つわ…マジで…」
ある意味お前に…!(笑)
そんな会話をしていると
「いいじゃねーか。一回くらい!!」
と誰かが会話に混じってきた。
「え…蓮?」
声をかけてきたのは志賀 蓮(レン)。
こいつも一緒に帰るダチだ。
帰るやつが揃ったところで部室を抜けて
ゆっくりジワーと暑いアスファルトの
上を歩きだした。
「大丈夫だって!!俺なんか彼女いない歴17年。お前が羨ましいよ!!こっからいくらでも暇あるだろうしさ!!」
譲がすねたように言う。
「おいおい…譲、落ち着け…。」
俺は慌てて譲に顔を向ける。
「だって立夏、頭かてぇから!なぁ蓮?」
蓮が小さく笑った。な…なんだ!?
「じゃあ頭の固い、立夏放ってかき氷でも食べに行くか、譲?」
「そーするか!!」
2人が急に先々歩きだした。やっぱ嫌な予感的中
「おい聞けよ!!だって1週間も前から約束してたんだぞ!?」
俺も急いで2人に並ぶように歩いた。
「あ~そ~…」
「のろけだ。要するにのろけだな!!」


