すると…


―――ガラッ…


大きな音をたてて道の端に積んであった

レンガが空亜のすぐ近くに崩れ落ちた。


「あっぶな~…。」


「…………!!」


俺は驚きすぎてよく分からなかった。


「瞳…あの子がやってるんだよ!!」


「な…なに言ってんだよ…?」


そう言ったとたん、レンガの割れた欠片が

空亜の顔に飛んできた。


「いたっ…。」


当たったのが目の下だったようで

少しほっとしたが、


「血が…なんで…?」


あまりに驚きすぎて混乱してきた。


すると…


崩れたはずのレンガが全部浮かび上がって

俺たちを取り囲んだ。


「ごちゃごちゃ言ってる暇はないみたい…瞳が怒ってるわ!!」