そして俺は又、

次の日も瞳ちゃんの病院にやって来た。


「瞳ちゃん…夕べも熱出したんだって?」


「うん。でも平気!」


なんだか日増しにやつれていくみたいだった。


顔色も悪くなって…瞳ちゃんは笑顔なのに

笑顔じゃないみたいに見えた。


「私、お兄ちゃんの顔見ると元気が出るんだ…」


その笑顔が消えていく…


悲しみに縛られたこの部屋じゃ何1つ

この世の良さが分からない…


この子は空の広さ、家族の暖かさ、生きてる喜び

を何1つ知らない…。


「お兄ちゃんが私だけのお兄ちゃんだったらいいのにな…。」


その悲しげな瞳から目が離せなかった。


『ピリリリリ…』


小鳥が寂しそうに鳴いた。

俺は鳥かごに近づいた。


「お前も寂しいのか…?ガードピユポー…。」


『ピリリリリ』


返事を返すように小さく小鳥は鳴いた。