「あ…空亜…?」


その勢いよく返ってきた石を受け止めた空亜の

手は真っ赤に染まっていた。


空亜の手を俺は心配したが空亜はそれよりも

鳥の方を見つめて怖い顔をした。


『ピリリリリ』


と鳴き声をあげた鳥を見て


「もしかして…」


と空亜は小さく呟いた。


俺は不思議な気持ちになった。


空亜のこんな表情は今まで見たことが

なかったから――…。