「ダメだ…そんな事を言っちゃ…。」
瞳ちゃんの寂しさや辛さ、死への恐怖を
少しでも和らげてあげられるなら…
「お兄ちゃん、出来るだけ毎日来てやる。だから元気出せ…」
瞳ちゃんは嬉しそうに俺の方を見た。
「私、お兄ちゃん好きだよ。」
この言葉は子供ならでの友達を好きと思う
素直な感情なのかもしれない。
『ピリリリリ』
小鳥が俺の方を見て小さく鳴く。
そして瞳ちゃんは
「ありがとう。」
そう一言呟いた。
そして時間は経ち、俺は瞳ちゃんの病院をでて
夕日に染まる茜色の空に手を振った。
『元気でいろよ』と手を振った…


