「だっ…誰なのよ!!」


割れた窓から電灯柱が見えた。

そこに、


『ピリリリリ』


と一声あげた鳥が一羽止まっていた。


その鳥は私と目があったと分かったのか

飛んでいってしまった。


「と…鳥…。」


そしてそのあと透き通る綺麗な歌声が

聞こえてきた。


私はその歌に耳を澄ました。


すると…心配したお母さんが


「空亜!!大丈夫?あなた怪我してるじゃない!!」


と声をかけてきた。


「ごめん…お母さん、少し静かにしてて…。」


今は私の怪我よりこっちの方が重要なんだ!


「えっ……えぇ。」


お母さんは驚いたように頷いて黙った。

私は歌の意味を必死に聞き取った。