昇降口で靴を履き替えて外に出ると、校門のところに車が停まっているのが見えた。

大翔と瀬和さんが車の外に出て、あたしを待っていた。


「花音」


あたしに気がついた大翔が名前を呼んだ。

あたしは二人の元へと駆け寄る。


「おかえり」


瀬和さんがあたしに笑顔でそう言った。

あたしはそんな瀬和さんを真剣な顔で見た。


「……瀬和さん」

「ん?」


笑顔で返事をした瀬和さんだったけど、あたしの真剣な顔を見て瀬和さんも顔つきを変えた。