「……偶然だな。 ……俺も誰にも愛されたことがない」 西崎は俺の方を見て微笑むと、ゆっくり口を開いた。 「何となく……感じてた」 「俺も感じてたよ。 お前と俺、似てる……って」 「……悲しい偶然だね」 誰からも愛されたことがない。 そんな人が二人。 家ではいつも一人なのに、わざわざ授業をサボって一人になるために屋上に来る。 そして偶然……ここで出会った。 いや……偶然じゃない。 これは……必然だったのかもしれない。