パシッ。

私は思いきり、葵の手を振り払った。

「先輩?」

…最悪…
こんなことで嫉妬してる自分が一番最悪…
でも…もう無理!!

「私のこと、好きじゃないなら、優しくしないで!
これ以上、1人で葵くんのこと好きになるのは辛い…
好きじゃないならもう放っておいてよ!」

もうだめだった。
思いを止めることができなかった。
私は葵が好き…

でもきっと…葵は私の事なんて、どうも思ってなくて。
だって私は葵のことずっと前から知ってたけど、葵は私のこと、昨日知ったばかりだし。

両思いになるなんて、夢のまた夢。

「先輩…話を…」

もう…ここにはいられない…

「ごめん、葵くん…」

私はその場から逃げた。
逃げるしかできなかった。



帰り道私は泣きながら、歩いた…