「乗れないんだよ?」

「それはまだわかんないでしょ?
乗ったことないんだから…」

…まさか…
葵…私を乗せる気…

「…乗るの?」

「うん♪」

これは…拒否権ないな…

「…わかった…」

ええい!こうなったらやけくそだー!

「じゃ、あれ乗ろう!」

あれって…あれって…
この遊園地で一番大きいジェットコースターだよね?

…無理…!
絶対無理ー!

そんな私の思いも虚しく、私はそのままジェットコースターに乗ることになった。


唯一の救い…
一番後ろで良かった…

…でも…

「…高い!」

怖いよ…落ちる…落ちる…

「あ、あおいくん、怖くないの?」

「僕は大丈夫だけど…先輩大丈夫?顔色悪いよ?」

…誰のせいだと…!

ぎゅ。

え?
突然、葵は私の手を握った。

「大丈夫。怖くない。僕がそばにいるよ」

…葵…
葵の言葉で安心する…
大丈夫、葵が隣にいれば、どんなことも怖くない。

私は思いきり目を瞑った。

その瞬間…