私はキュッと目を瞑ると…

ちゅ。

先生の唇が落ちてきたのは私の唇ではなく頬だった。


え!?頬?


予想外で目を瞬かせると…


「唇にされると思った?」


…核心をつかれて…
なにも言えないし。


「…」


「ビンゴらしいね?」


「…」


先生、鋭いっ!
怖いわ。先生、怖いわ。


「今日は習ってないとこだったから頬だったけど
次からはするからね?」


「…な、にを?」


「解ってるくせに。
それとも、言わせたい?」


「…いえ。」


解っていた。
間違えたらキスされるってことくらい。


「化学の補習でもあり、恋の補習でもあるからね。」


…確かにそうなのかな。
でも私、こんなんで心臓持つかな…?


「それじゃあ、また明日ね。明日花。」


「…はい。」