「さやお嬢様、起きて下さい」


優也の声で、あたしは目を覚ました。


なんだろう……。


「……夢……」


あたしはポツリと呟いた。


「どうなさいました?」


優也が首を傾げてあたしに問う。


あたしは首を振り、こう答えた。


「何でもないよ」


優也は「そうですか」と答え、いつものように部屋を出て行った。