でも、これは執事との約束です、って言われた時はダメかと思ったよ。


「さやちゃん?」


「は、はいっ」


「どうしたの?ぼーっとして」


青一さんは心配そうにあたしの顔を覗き込む。


「何でもないですっ」


「そう?もしかして、少し疲れちゃった?あそこにベンチがあるから休もうか」


青一さんは、そう言うとあたしの手を掴み、歩いて行く。