あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】

その声はいつものようなおちゃらけたものではなく、優しいものだった。


「……ありがとうございます」

「よしよし、落ち着いたか」

北斗先輩は抱きしめていた腕を離してくれた。

そこで本堂さんが戻ってきた。

「二人とも大丈夫でしたか?」

「本堂さんこそ」

本堂さんは走り回っていたのか息を切らしていた。

呼吸を整えながら本堂さんは話す。

「えぇ。外には誰もいませんでした。念の為にあとで警察に連絡しておきましょうか。さぁ、犯人が戻ってくる前に帰りましょうか」

本堂さんの最後の一言にあたし達はうなずき、さっさと帰ることにした。

両脇を過剰に心配した二人にはさまれながら。