北斗先輩はおちゃらけたように言うけど多分心配してくれてるんだろうな……。

「なんて、本当は今のうちにさやちゃんを独り占めしちゃおう作戦だよ~ん」

……多分、これでも。

「それは残念でしたね。今日もさや様を独り占めには出来ませんよ?」

あたし達の会話を聞いていた本堂さんが口をはさむ。

口調は穏やかだけど目が笑ってませんよ、本堂さん!?

「あれ?今日は執事さんちゃんといるんだね〜。最近いないこと多いから今日もサボりかと思ってたわ」

「サボるなんてことボクは致しませんよ。あなたのような油断も隙もないような輩がいますから」

二人はお互いを睨みながら言った。

なんかこの二人も一触即発な雰囲気……?

二人の目から火花が散ってるんですけど!?

「二人とも早くしないと置いて行きますよ?」

このままじゃ埒が明かないと思い、あたしは歩き出す。

その瞬間。

「さや様!!」

「さやちゃん!!」

二人のあたしを呼ぶ声が重なって何事かと振り向く。