放課後。


あたしが帰るために靴を履き替えていると本堂さんが駆け寄ってきた。

そしてさりげなくあたしのカバンを持つ。

｢学校お疲れ様です、さや様｣

｢ありがとう、本堂さん｣

｢それでは行きましょうか｣

本堂さんがにこやかに歩き出す。

あたしもそれにならって歩き出す。

そのときだった。

｢さやちゃ〜ん！！｣

｢うわぁ！？｣

急に後ろから誰かに抱きつかれて驚く。

もう、誰かと思えば……。

｢北斗先輩、急に抱きつかないでくださいよ｣

｢ごめんごめん〜｣

北斗先輩は悪びれもなく言う。

｢それでどうしたんですか先輩？……ってか離してください｣

北斗先輩が抱きついたまま離してくれないので、なんとか先輩の腕からの脱出を試みる。

｢いやね、君の彼氏君がまだ帰れないみたいだから一緒に帰ってあげようと思って｣