あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】

まぁ、北斗先輩が気にしてないならいっか。


それにしても、ここ数日は本堂さんがあたしの側にいないことが多い。


なにかと忙しそうだ。


ナイフを持った男に襲われたこともあってか、最近はあたしの傍には誰かがいるから、心配する必要もないのかもしれないけどね。


などと考え事をしていたあたしの思考を遮ったのは、焦りを含んだ北斗先輩の声だった。


「さやちゃんっ、避けて!」


「え?」


考えるより先に、北斗先輩に腕を引かれる。


少し遅れて、何かが床に叩きつけられる音が聞こえた。


音のした方を見ると、大量の透明なガラスの破片が散乱していた。


どうやら窓のガラスが割れたらしい。


でも、どうして?


注意深く見てみると、ガラスの破片の近くに何かが転がっていた。


それを見たあたしは、「ひっ」と息を呑んだ。


床に転がっていたのは白いボールだった。


その白いボールには、「殺ス」と赤い文字で書かれいた。