ナイフを持った男に襲われた日から一週間がだった。
この一週間、特に変わったこともなく、ただ平和な毎日が続いていた。
「この前の男は何だったんだろう……?」
あたしは誰もいない静かな教室でつぶやいた。
あの一件は、さすがに報告せざるを得なかった。
報告したときのみんなの顔は蒼白だった。
もしかしたら、ストーカーの件と関係あるのかも。
そう考えると、さすがにお父様にストーカーのこと言った方がいいよね。
時間が空いてるときにでも、お父様に相談しよう。
あたしがそう覚悟を決めたとき、教室のドアが開いた。
「さやちゃん、一緒に帰ろ~」
元気良く教室に入って来たのは北斗先輩だった。



