あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】

「……いや……やだ、やめて……」


あたしは動かない喉を必死に動かし、声を絞り出す。


男はナイフを手にしたままあたしの腕を掴んだ。


どうしよう、このままだと連れていかれる……!


早く逃げなきゃ!!


心ではそう思っていても、身体が動いてくれない。


「ここで立ち止まってても誰も助けになんか来ないよ?ね、さーやちゃん」


男がナイフをあたしの眼前にかざす。


恐怖と涙で目の前が滲んだ。