あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】

「なーんで逃げようとするのかなぁ?まぁ、いっか。ちょっと来てもらえる?」


男はポケットからある物を取り出した。


それは先が鋭く尖ったナイフだった。


瞬間こわばるあたしの身体。


足がすくみ、身体が震え、指一本すら動かせなくなる。


あたしの頭の中に、あるワンシーンがフラッシュバックした。



それは去年のことだった。


家庭教師の青一さんと公園へ出掛けたときに、青一さんはナイフをあたしに向けたまま追いかけて来たのだ。


そのときに、あたしはそのナイフで少し首を切った。


そのときの傷はだいぶ癒えたが、まだ少し痕が残っている。


優也が助けに来なければ、今頃あたしはここにいなかったかもしれない。



その出来事があたしの中にトラウマとして記憶されていた。