あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】


あたしは怖くなって、急いで靴を履き替えて駆け出した。


怖い怖い怖い。


あたしの中で恐怖だけが占めていく。


あたしは何かから逃げるように走った。


追われてるわけじゃない。


でも、なぜか逃げないといけないような気がしたのだ。


見られているわけではないのに、じっと誰かに見られているような気さえした。



走って走って走って。


あの角を曲がれば家まで後少しだ、というところで何かとぶつかった。


ぶつかった衝撃であたしは思わず尻もちをつく。


今まで走っていたせいか息が切れ、すぐには立ち上がれない。


呼吸を整えながら顔を上げると、腹部を押さえながら
「イテテ……」
とうめく男がいた。