あたしのイジワル執事様!?【続編更新中】

「優也、いい加減離れてよ~」


「やーだ」


耳元で呟かれ、肩がピクリと跳ねる。


今日の優也はまるで駄々っ子みたいだ。


「あ、顔が赤いよ?可愛い」


あたしの頬を突っつきながら甘くつぶやく優也。


このままだと、甘い雰囲気に呑まれちゃいそう……。


てか、この人誰!?

キャラが変わりすぎじゃない!?


「ね、ここにいてよ」


優也から醸し出される色気に、ついほだされそうになる。


ハッ。


いかん、いかん。


こんなことしてる場合じゃなかったよっ。


そう思った瞬間のあたしの行動は速かった。


隙をついて優也から離れると、カバンを手にとり、立ち上がる。


「じゃ、行ってくるね」


あたしは優也に手を振ると、部屋のドアを開けて出る。




優也はぽかんとしたまま、さやが出ていったドアを見つめていた。