「ちょっと優也、一回離れてよ。勉強に集中出来ないから」 「やだ」 あたしにベッタリとくっつく優也を引きはがそうと試みる。 どういう訳か、部屋に入ってきた優也は勉強中のあたしに抱きついたまま離れない。 しばらくはそのままでいたけど、もう10分が経つ。 離れてと言っても、優也は「やだ」の一点張りなのだ。 「優也~、あたしテストが近いんだから」 「ふぅん」 優也はさして興味もなさそうに返す。