「ただいま~」 「お帰りなさいませ、さや様。おや、今日はお一人なのですね」 「ええ。優也が遅くなるから先に帰ってて、て」 学校から帰ると年配執事の斎藤さんが出迎えてくれる。 あたしはカバンを斎藤さんに預けた。 「さや様。誠二様から伝言がございます」 「お父様から?」 なんだろ? だいたいこういうときの伝言はグループに関わるものが多い。 それに、家の中がそわそわしてる感じがする。 確か今、大きな取引があるってお父様が言ってたような。