† 「旦那様。旦那様宛にお手紙が届いておりますが……」 「どれ、今読もう」 東条さやの父・東条誠二は、明け方仕事から帰ったばかりだった。 メイドから手渡された手紙には、差出人の名前がない。 それを不審に思いながら封を開ける。 手紙の内容はこうだった。 『東条さやと白川優也の婚約を解消しろ。さもなければ、東条家の一人娘、東条さやに危害を加える』 「さや以外の家の者を会議室に集めろ」 「かしこまりました」