さやが寝たので、僕は書斎へ向かった。


コンコンッ


「失礼します」


一礼をして中へ入ると、誠二様が書類から顔を上げた。


「さやの様子はどうだ?」


「はい。とりあえずベッドへ運び、寝かせましたが……。熱があるようです」


測ってはいないが、あの様子だと熱があるに違いない。


いつもと違うさやが見れて嬉しい反面、誰にも見せたくないという独占欲が出て複雑だったが。