「さや、部屋に着いたよ」


僕はさやを寝かせようと、さやをベッドの上に下ろした。


そして、飲み物を取りに行くために立ち上がった。


が、腰に腕をまわされて動けない。


「さや?」



「……行かないで」


弱々しい小さな声に、不意を突かれる。


思わず頬に触れると、さやは嬉しそうにすり寄って来た。


可愛い。


「普段もこれくらい素直だったらいいのにね?」


僕はクスリと笑って、さやの頭を撫でた。