そのとたん、視界が暗くなる。


気付いたときには優也に抱きしめられていた。


優也の腕があたしの背中にしっかり回っていて、振りほどくことが出来ない。


顔が近くて優也の息づかいがわかる。


あたしの頭の中は真っ白になって容量オーバーだった。


鼓動が速くて呼吸が苦しくなる。


そんな中あたしは、複雑な気持ちを胸に抱いていた。


抱きしめられている嬉しさと、何故抱きしめられているのかという疑問。


そして、自分は優也と結ばれてはいけないという苦しさだった。