「断られるって分かってて告ったんだ。さやが気にする必要はねぇよ」


「でも……」


「いいんだよ。でも、まじめに考えてくれてありがとな」


悠はポンポンとあたしの頭を軽く叩いて言った。


「もうすぐ授業、始まるぞ?行かなくていいのか?」


「悠は?」


「俺はもう少ししたら行く」


「そっか、じゃあ、後でね」


あたしは悠に背中を向けて歩き出した。


そのとき思ったことは、振られる方も振る方も辛いってことだった。