屋上のドアを開けた。


悠は柵に寄りかかり、空を眺めていた。


あたしは悠の傍に行く。


「……悠」


悠に呼びかけると悠は視線をあたしに合わせた。


あたしは大きく息を吸い込んだ。


「悠……、ごめん。悠の気持ちには応えられない。だから……」


あたしがそう言いかけたとき、悠が自分の手をあたしの頭の上に置いた。


そのまま、クシャクシャと撫でられる。


「それ以上は言わなくていい」


悠は優しげな目をして微笑んだ。