なんてわがままなんだろう。


……もしかして。


あたし、優也のこと……


好き、なんだ。


そう自覚した途端、胸が跳び跳ねる。


「お嬢様、どうしました?」


動きが止まったあたしを見て優也は不思議に思ったのか、声をかけてくる。


「な、何でもないっ。あ、あたし、そろそろ寝るねっ」


挙動不審になりながらも今が夜だったことに感謝する。


優也がティーセットを持ってドアの方へ向かう。


あたしがベッドに入るのを見ると、ドアを開け、


「おやすみなさい、お嬢様」


そう言って、部屋を出て行った。