隣の彼女は・・・

「あ、おい、木下くん!」

三浦先生が呼び止めてきたけど

聞こえない振り。



「ちょっと!駿ってば~」


鈴が玄関に追ってきて


「せっかく来てくださったのに・・・

三浦先生って
駿が昔お世話になった先生なんでしょ?

なんで・・・」




その三浦先生が一番会いたくないやつ
だったんだよ。


つか・・・『お世話になった』だと!

ジョーダンじゃない!

俺があいつにいつ世話になったって?



一緒に居て

同じ空気を吸うのも嫌だなんて

言えるわけない。



言ったら理由を聞かれるに決まってる。



鈴は何も知らないんだから・・・



「駿・・・?」


俺の様子が変だって

鈴は気づいたみたいだったけど


そのまま無視して

玄関のドアを後ろ手に閉め

部屋をあとにした。