隣の彼女は・・・

「駿くん、今日は何?」

勝手に玄関が開き

さくらの声がした。



「誰?」

鈴が俺を見た。



勝手知ったる人のいえ・・・

さくらは、会社からそのまま俺のうちに来たらしく

ハンドバックをソファーに置くと


やっと鈴に気がつき



「あれ?お客様?」

そう言って俺を見た。




それから―――

不穏な空気?




「ちょっと、駿、どうゆうことなの?」

「どうゆうことって?何が?」


鈴が考えてることは、分かってる・・・



誤解だし・・・


だけど

鈴を退散させ寄せ付けない

それには、この誤解が役に立つだろう。


「お前の思ってるとおりだよ。だから帰れよ。」


鈴に向かって俺は言った。




「か・・帰れって?
あのねえ、私はおば様に・・・」



「じゃま!
いいから帰れ!」


強い口調でそう言って

俺は、もう鈴の方を見なかった。