言えば

そうゆう目で見られるかもしれない・・・


そんな不安と

男が男にそんなことするなんて

信じてもらえると思えなかった。



いや・・多分、言っても信じてもらえなかっただろう。



実際、電車でだって痴漢がいた。


そうだ、でも、あのときだって

『男が男に痴漢なんかする訳ない』って・・

痴漢のオヤジに言われたっけ?



さくらがいなかったら単なる俺の言い掛かりになってたかもしれない。



本当のことを言えば俺はそのまま学校にいられた?

どっちにしてもいられなかっただろう。



無期停学処分―――

それを機に

俺は学校を去った。




理由も言えない。

だから、親も友達も

離れて行った。



だったら、そうなってやろう・・・

公立の中学に転校した俺は

以前とは別人になっていた。