隣の彼女は・・・

そして・・・

有無を言わせず俺の中で

決心するできごとが・・・

あった。



会って・・・しまった。




予備校の帰り道にふと立ち寄った本屋で―――


参考書を見てた。


「あれ?
もしかして・・・
木下君じゃないか?」


聞き覚えのある声―――

「ほら?
俺だよ、分かる?」


二度と会いたくない人―――

「忘れちゃったの?」


こんなに近くにいたなんて―――

「ひ・・人違いです!」


俺は、手にした参考書を棚に戻すと、

その場を立ち去ろうとしたが・・・



「やだな~、木下君だよね?
俺が間違える訳ないじゃん。」



完全に掴まってしまった。



「・・・。」

「すごい久しぶりだね。
もう高校生だっけ?
ああ、受験生?」



動揺を悟られまいと思うけど

手が振るえるのが自分でも分かった。



「はい・・・。」


出来るだけ早く
出来るだけ遠くに・・・

少しでも早く離れたい。



「こんなとこで会えるなんて思わなかったな~。

ああ、俺、今こっちの学校に・・・

あ・・おい・・
ちょっと・・・。」


呼び止めようとするその男を
振り返らずに店を出た。



あり得ね~


なんで?

なんであいつがここにいるんだ?