まなえSIDE*
言っちゃった。
今までみんなに内緒にしてたのは
恥ずかしいからってのもあるけど
否定されるのが怖いから。
まなえには無理って
思われるのが怖かった。
でも、そうまくんと
一緒に住み始めて、店にいったら
帰りが遅くなる日もあるし
嘘っていうか、黙ってるのも
罪悪感があった。
だから、今日しかない。
みんなもおるし。
何か言われても
歌うことだけはやめたくない。
「ずっと歌手になりたくて…」
しおりが言ったあと
顔あげられへんかった。
そうまくんは
どんな顔してるんやろ。
みんな、アホちゃう?って
思ったかな…
「凄いやん!2人とも!」
「えっ…?」
想像してた言葉と
全く違う言葉がみつくんの口から
かえってきたから、びっくりした。
凄い…?
「夢があって!それに
一歩でも近づいてるやん!」
「2人の歌聞きたいわぁ」
「えーなぁ。若いって」
「歌手かぁ。俺も昔は
有名なりたかったなぁ」
誰1人自分たちを
批判する人はおらんくて。
みんなが応援してくれてる。
「しおりちゃん!俺が1番
応援してるから!頑張ってな!」
「しゅんくん…
みんなもありがとう。」
しおりは嬉しくて?
かわからんけどまた
泣いてる。
そうまくんは、なんて言うやろ。
今まで黙ってたこと怒るかな…
「・・・思う」
「え?」
「いいと思う。俺、
まなえの歌ってるの好きやし」
「お、怒らんの…?」
「何で怒んねん(笑)
俺も応援するから。」
この一言で今まで心の中にあった
そうまくんへの罪悪感が
全部消えていった。
この人を好きになれて
ほんまよかった。
心の底からそう思った。

