「しおり、洗い物ありがと」
「そうまくんがお礼言うとか
珍しい。酔ってんの?」
「酔ってないわ。俺を
なんやと思ってんねんお前は」
毎回毎回失礼なこと
言うてくるな、ほんまに。
「そうま。このタオルケット
使っていいやんな?」
「おー、えーよ」
雑魚寝してるやつを
まさきが端によせて
タオルケットかけてあげてた。
「こんな男の中にまなえちゃん
寝かしてていーん。」
「ん、はるとみつだけ
ちょっと離しといて。」
寝てても何するかわからんし。
「はぁ、やっと落ち着いたな」
「ほんまこいつらに
酒飲ませたらあかんわ。」
「みんな、おつまみ的なん
あるけどいるー?」
「いるー!」
しおりはゴミまとめたり
新しいビール運んだり
おつまみ用意したりしてる。
「何かしおり気きくようになったな」
「毎日ちゃんとご飯作って
家事してくれんねんっ!」
「へーへー」
「ちょ、まさくんもっと
興味もってーや!」
「お前らののろけなんか
聞いてられるか、バーカ」
そーいえばまさきって
彼女おらんかったっけ。
「全然どうでもいいねんけど
まさき、彼女おらんの?」
「どうでもいいんやったら
聞くなよ・・・おるけど。」
「えぇぇぇえぇえぇ!
まさきくん、かっ、彼女おんの?!」
「そんな驚くことか?!
俺もう23やし彼女ぐらいおるわ!」
おったんや。
・・・おったところでやけど。
「彼女ってどんな人?!」
「んで、何でしおりだけ
そんな食いついてくんねん…」
「だって!気になるもん!」
想像以上にしおりが食いついて
もうそっから質問攻めで
寝るまでまさきの彼女の話。
で、わかったことは
まさきの彼女は同い年。
幼馴染で付き合い始めたのは
高校生の時からってこと。
・・・めっちゃどうでもいい。
「まさきくんにも彼女おってんなぁ。
何か嬉しいわぁ。」
なんでか、しおりだけは
話聞いてご満悦やった。

