それでも僕は、お前が嫌いだ


 「龍雨殿。私はあなたを傷つけたくありません」

 淀んだ夜の闇のような瞳を浮かべた女は、触れれば折れてしまうのではないかと思う程に細い指で腰に下げていた剣の柄に触れ、龍雨と相対した。

 桃色の髪が風に靡くと同時に女が名乗る。