それでも僕は、お前が嫌いだ


 男は方向音痴だった。

 本人がそれを自覚していないのは、普段主人を守ると言う理由で常に二人以上で行動しているために一人になる機会がないから。

 「…迷った、のか?」

 言って、はたと気づく。